第三日目

三日目は73kg級の中矢力選手と57kgの松本薫選手が出場しました。

57kg級の松本選手(ランキング1位)は予選ラウンドで1回戦ランキング47位のドゥキッチ(スロベニア)選手、2回戦ランキング12位のガシモヴァ(アゼルバイジャン)選手、3回戦ランキング10位のキンタヴァレ(イタリア)選手を破り決勝ラウンドへ順調に進みました。

準決勝ではランキング5位のパヴィア(フランス)選手と当たった。パヴィア選手の柔道スタイルが場外際まで下がり、場外に向かって逃げるように片手しか持たずに内股を掛けるという非常にやりにくいスタイル。ゴールデンスコアまでもつれたが、場外際で組みながらの大外刈で有効を取り決勝へ。

勝戦は昨年の世界選手権で3位のランキング7位のカプリオリウ(ルーマニア)選手との対戦となりました。松本の投げ技がポイントとなりそうな惜しい場面はありましたが、ゴールデンスコアに。松本選手が強引に払腰に掛けた時に、カプリオリウ選手は松本選手の軸足を内側から刈るという反則負けになる行為をしてしまいました。直ちに試合はストップし、審判団が事実確認後カプリオリウ選手に反則負けが告げられ松本選手に勝ちの宣告がされました。日本選手団にとっては待望の金メダルです。松本選手の挑みかかるような鋭い眼光と前屈みの柔道スタイルが印象的でした。

技を掛けている相手の軸足を内側から刈ってはいけないという反則事項を知らない観衆がたくさんいたようです。今回の大会は審判の判定が覆される事が非常に多いので、どうなったのか説明のアナウンスがあってもいいのかなと思いました。さらなる柔道の普及を考えているのであれば、大相撲やプロ野球のように観客に対する配慮を考えてもいい時期にきていると思います。

73kg級の中矢選手(ランキング2位)は順当に予選ラウンドを勝ち上がり準決勝戦へ。準決勝ではランキング3位のエルモント(オランダ)選手破り決勝戦へ。決勝はランキング1位のワン・キチュン(韓国)を破ったランキング5位のイサエフ(ロシア)選手との対戦になりました。開始早々中矢選手の仕掛けた背負投からイサエフ選手は十字固へ移行して中矢選手を攻め立てます。がっちりと決まったかに見え万事窮すかと思われましたが中矢選手よくこらえました。終盤にイサエフ選手の払巻込で中矢選手は横倒しになりそれが有効となりました。そしてタイムアップ。惜しくも銀メダル。中盤に中矢選手が抑え込みそうになる場面もあり、いい試合だったと思います。

以下入賞者です。

女子57kg級
金:松本(日本)
銀:カプリオリウ(ルーマニア
銅:モロイ(アメリカ)、パヴィア(フランス)

男子73kg級
金:イサエフ(ロシア)
銀:中矢(日本)
銅:サインジャガル(モンゴル)、レグラン(フランス)