第五日目

五日目は90kg級の西山将士選手と70kg級の田知本遥選手が出場しました。

70kg級はランキング24位のティエレ選手(ドイツ)がランキング2位のボッシュ選手(オランダ)を破って決勝に上がる波乱がありました。田知本選手(ランキング3位)は2回戦ランキング13位のコルテス(キューバ)選手を破り3回戦でランキング7位のチェン(中国)選手との対戦となりました。田知本選手は得意技の大外刈で有効を二つ取り、危なげ無く勝ち上がるかに見えましたが、寝技でチェン選手の関節技を受けた際に左肘を痛めてから防戦一方となりました。奥襟をどんどん取ってくるチェン選手が有効二つを取り返し、勝負はゴールデンスコアにもつれ込みました。延長戦でもチェン選手のペースで試合は進み判定の旗はチェン選手に3本揃いました。田知本選手は敗者復活戦へ。

敗者復活戦ではボッシュ選手との対戦。痛めた左腕はテーピングした様子が見て取れます。序盤はいつもと変わらないような動きが出来ていましたが、やはり左腕の影響なのか徐々にボッシュ選手に攻め込まれる状況となり、指導2で敗れました。負傷の詳細はわかりませんが怪我をせず戦えていたら、と思ってしまいます。やはりこれがオリンピックという大舞台なのでしょう。何があるかわかりません。

90kg級の西山選手(ランキング3位)は1回戦でランキング27位のマメドフ(キルギスタン)選手、2回戦でランキング25位のボラト(カザフスタン)選手を破り三回戦へ。ランキング17位のソン(韓国)選手との対戦は中盤にソン選手の背負投で技有と有効のポイント二つを立て続けに取られリードされました。それでも西山選手の表情からは焦った様子は見られず、いつでも投げることができるというような気迫が感じられました。試合時間残り30秒、西山選手の大外刈が見事に掛かり、主審は一本の判定でしたが、両副審は技有のゼスチャーで技有に訂正されました。この技の判定は微妙でしたが、一本でも良かったのではないかと思います。西山選手は最後まで攻め立てましたが一歩及ばず。敗者復活戦に回ることとなりました。

敗者復活戦ではランキング5位のチョリエフ(ウズベキスタン)選手をゴールデンスコアの旗判定3−0で下し三位決定戦に進みました。対戦相手はランキング1位のイリアディス選手を破ったランキング12位のデニソフ(ロシア)選手です。ゴールデンスコアになって両者疲れが見えていましたが、最後まで前に出て攻撃する姿勢を見せていた西山選手に判定の旗は3本上がりました。見ている方が消耗してしまうような試合でしたが西山選手が銅メダルを獲得。おめでとうございます。

今大会、これまでの国際大会での一本の基準よりも非常に条件が厳しいように感じます。それについてはここでは詳しくは述べませんが、選手たちは大いに戸惑っている様子。二日目の判定が覆ったことも含めて大きな問題が残る大会であると思います。今日、六日目の審判はどうなのかも興味のあるところです。

以下入賞者です。

女子70kg級
金:デコス(フランス)
銀:ティエレ(ドイツ)
銅:アルベール(コロンビア)、ボッシュ(オランダ)

男子90kg級
金:ソン(韓国)
銀:ゴンザレス(キューバ
銅:西山(日本)、イリアディス(ギリシャ